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​​#11「猫と鰐と鵞鳥」

(♂0:♀3:不問0)上演時間20~30

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・桃子
【井川桃子(いがわももこ)】女性
「ある作家」の師に当たる作家の娘。「ある作家」への強い執着心から、時を駆ける力を手に入れた。
鵞鳥(がちょう)のような女。

・静江
【貴水静江(たかみしずえ)】女性
「ある作家」の妻。猫(ねこ)のような女。

 

・美代
【矢坂美代(やさかみよ)】女性
「ある作家」の愛人である芸者。鰐(わに)のような女。

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―プロローグ

静江:ある夜、一人の作家が愛人と死んだ。

 

桃子:彼は素晴らしい才能の持ち主であり、私の尊敬する人だった。

 

美代:いつまでも思春期の男子学生のように、何か透明で美しい物を追い求める、繊細な人だった。

(少しの間)

(涙を流す桃子)

桃子:先生……先生……!どうしてこんなことに………!私のことを、好きだと仰ってくださったではありませんか。「君がいれば、君がいるから救われる」と、何度も仰ってくださったではありませんか。なのに何故……!

私がまだ子供だからですか?奥さまやあの女のように、先生をこの身で受け止めることができないからですか?私なら、私なら決して先生を死なせたりしない。その才をあたら散らせるようなことはしない!

(少しの間)

桃子:……許さない。先生の傍にいながら、先生を死に追いやったあの女たちを決して許さない……!誰か、誰か時計の針を戻して頂戴!お願い、誰か……誰か……!

(少しの間)

 

桃子:……え?

(少しの間)

 

桃子:こうして彼への愛で奇跡の力を手に入れた私は、時を駆け、彼を救うと決めました。

 

【間】

 

―貴水静江の家

 

桃子:ごめんくださいませ。

 

静江:今伺います。

(静江、戸を開ける)

静江:貴女は確か、井川先生のお嬢さんの……

桃子:はじめまして。井川桃子と申します。

静江:そう、桃子さん、だったわね。

 

桃子:はい。奥さまとお会いするのは、これが初めてですね。

 

静江:そうね。私はあの人と一緒に出歩くことなど、ほとんどないから。井川先生とでさえ、あの人との祝言の時にお会いしたきりだもの。

 

桃子:そうだったのですね。

 

静江:ところで今日はどうされたの?井川先生からのことづけかしら?だとしたらごめんなさいね。今あの人は出かけているの。いつ帰るかも……分からなくて。

 

桃子:いいえ、私は貴女に用があって来たのです、静江さん。

 

静江:え?

 

桃子:もしよろしければ、少し聞いては頂けませんか?私の話を。

 

静江:え、ええ……。それじゃあ、玄関先ではなんだから、どうぞあがって。

 

桃子:失礼致します。

 

(少しの間)

 

静江:お茶をどうぞ。あとこれも、良かったら。

 

桃子:まあ羽二重(はぶたえ)団子。先生の好物ですね。

 

静江:あら、ご存知だった?

 

桃子:ええ。先生が私の家に来るときにいつも持ってきて下さるので、何故いつも、と一度お聞きしたことがあっんです。そうしたら、好物なのだ、と照れ臭そうに仰ってくださいました。

 

静江:そうだったの。ああ、せっかくだから、ほら、食べて。今夜もあの人が帰らなかったら、無駄になってしまうから。

桃子:いつ帰るかも分からないのに好物を用意して待っていらっしゃるのですね。

 

静江:おかしいかしら?

 

桃子:いいえ、まさに良妻です。では、失礼して。

(桃子、団子を口に入れる)

静江:それで……今回はどういったご用件で?

桃子:単刀直入に申し上げます。静江さん、矢坂美代(やさかみよ)という女性をご存知ですよね。

 

静江:……

 

桃子:ご存知ですよね?

 

静江:ええ……。主人とお付き合いされている芸者さん、よね。

 

桃子:はい。

 

静江:それを私に聞きにきたの?

 

桃子:いいえ、それはあくまでも話の導入でしかありません。

 

静江:……

 

桃子:続けても?

静江:……ええ。

 

桃子:静江さんは、彼女のことをどう思っていますか?

 

静江:どうもなにも……彼女の存在が、今のあの人の創作への情熱に繋がっているのは、事実よ。

 

静江:桃子さん。貴女、あの人の小説はどれくらい読まれて?

 

桃子:勿論、全て読んでいます。

 

静江:流石ね。それなら、最近のあの人の作品に出てくる女性が、皆何処か似通っているのは気付いているでしょう?

静江:貪欲で獰猛なくせに、どこか繊細で危なっかしいところのある不思議な魅力の持ち主。

桃子:それらのモデルが全て矢坂美代、ということですか。

静江:貴女もそう思っているのでしょう? 

桃子:そうですね。では、彼女と先生の恋についてはこのままでよい、と?

 

静江:それであの人の作品が輝くのだもの。私には、どうにも。

 

桃子:寂しくは、悲しくはないのですか?

 

静江:結婚して十五年、これが初めてのことではないもの。騒いだとて、どうすることもできない。むしろあの人の創作の邪魔になってしまう。それを痛いほど分かっているのよ。

 

桃子:見て見ぬふりをし続けて十五年、ですか。

 

静江:愛人の元に出かけるあの人の背中をぼんやりと見送ってから、(懐から手紙を出す)これを読むの。

 

桃子:手紙?

 

静江:私がまだ彼の情熱の泉であった頃のものよ。此処に綴られた愛の誓いを何度も読み返し、いつかまたこんな日が来ると、あの人が帰ってきてくれると信じて待っているの。それしか、できないわ。

 

桃子:殺してしまえばいいんですよ。

 

静江:え?

 

桃子:矢坂美代を、殺してしまえばいいんです。

 

静江:桃子さん、貴女なんてことを……!

 

桃子:いけませんか?

 

静江:当り前よ。人の命を奪うなんて。そんな簡単に言えることではないわ。

桃子:このままでは先生は、その才能と共に彼女に食い殺されてしまいますよ。それでもいいのですか?

静江:情熱的な方なのは知っているわ。執念深い方だとも。でもそんなこと……。

桃子:私には分かるんです。その情熱で二人が身を焦がし、やがて灰になるのが。

 

静江:桃子さん。

 

桃子:憎いのでしょう?

 

静江:……

 

桃子:騒いだとて邪魔になるだけだから、口には出さなくなった。けれど静江さん、貴女の心の内は?

 

静江:やめてちょうだい。

 

桃子:十五年も前に送られた手紙を後生大事に懐に入れて読み返しているくらい、愛しているのでしょう?先生を。そしてその才能を。

 

静江:やめて、ちょうだい。

 

桃子:全てが失われてしまってからでは遅いのですよ。

 

静江:やめて!

 

桃子:……

 

静江:……憎く、思わないわけではないわ。きっとあの人の目には私が、いつも淀(よど)んだ目をしてこちらを見つめる、年老いた猫のように映っていることでしょう。それでも、それだからと言って、彼女を殺すなんて。

 

桃子:先生に知られて、軽蔑されるのが怖いですか?

 

静江:そういうことでは

 

桃子:先生の預かり知らぬところでのことならば、とは一寸も思いませんでしたか?

静江:桃子さん、貴女はまだ若いのよ。私はあの人を貪り尽くさんとする彼女も怖いけれど、純粋な瞳のまま、あの人ごと全てを絡め取っていこうとする貴女も、恐ろしいわ。

桃子:……

静江:貴女も、あの人を愛しているのでしょう?

 

桃子:……尊敬しています。

 

静江:(笑う)そう。……私は何もしない。形式上でもあの人の妻でいられるのなら、愚鈍な猫のままでいいわ。貴女の用件がそれだけなら、申し訳ないけれどもう帰って頂戴。

桃子:そうですか。

静江:ごめんなさい。

桃子:いいえ、私も出過ぎたことを申し上げました。先生を妄信する鵞鳥(がちょう)が五月蠅く騒いだだけと、忘れて下さって結構です。

 

静江:そんな、鵞鳥だなんて。

 

桃子:それでは、私はこれで。

 

(少しの間)

 

桃子:……本当に、つまらない愚鈍な女。


【間】


―矢坂美代の家

(美代が煙草をふかしている)

美代:(煙草の煙を吐きながら)それで?私に何の用?

 

桃子:先生の愛人である貴女と、話をしたかっただけです。

美代:なあに?文句でも言いに来たの?先生を汚すな、とでも?

 

桃子:そんなに青臭く見えますか、私は。

 

美代:そうね、とっても。

 

美代:あのねお嬢さん、今の彼の創作を支えているのは私よ。彼の師の娘だか何だか知らないけれど、所詮一読者のあんたに、どうこう言われる筋合いはないわね。

 

桃子:私は先生と貴女のお付き合いを咎めに来たわけではありません。貴女とのお付き合いを始めてからの先生の作品はどれも鮮烈で、新しさに溢れた素晴らしいものばかりですから。

 

美代:それならいよいよ謎ね。あんた本当に何をしに来たの。

 

桃子:今の先生の苦悩について、貴女ならよくご存知ではないかと思いまして。

 

美代:それは、彼の奥さまのことかしら?

 

桃子:話が早くて助かります。

 

美代:ええ、彼は苦悩している。私との恋に溺れながら、いつも奥さま……静江さんの話をするの。「妻の見て見ぬふりに耐えられない。でも哀れで捨てることもできない」ってね。

 

桃子:不愉快ではないのですか?

 

美代:勿論不愉快だわ。私といる時に、妻と言えど他の女の名前を出すなんて。でも、それが彼の馬鹿で可愛いところであって、そして全てがその才能に集約されていく、と考えれば、しょうのないことだわ。

 

桃子:成程。

 

美代:だからね、私いつも言ってるの。「あすこの棚には青酸カリが入っているの。私はいつだって、貴女との愛に殉じるつもりよ」ってね。

 

桃子:あら素敵ですわ。それで、先生はなんと?

 

美代:「それなら僕も死ぬよ」。いつもこれよ。赤子のように涙を流して、私の胸にむしゃぶりつきながらね。

 

桃子:貴女は、本当に先生との愛に殉じるおつもりなのですか?

 

美代:私への愛と奥さまへの情との間で彼が苦しむのなら、ふたり一緒に地獄で抱き合った方がいいでしょう?鰐(わに)のように彼を咥え情欲の海に引きずり込んで、のたうち回ってみせるわよ。

 

桃子:案外少女趣味ですのね。

 

美代:なんですって?

 

桃子:愛に殉じる、だなんて。私なら、そうはしません。

 

美代:それなら、あんたはどうするつもり?

 

桃子:奥さまの静江さんを、殺してしまうでしょうね。

 

美代:え?

 

桃子:だって静江さんがいなければ、先生と貴女が死ぬ必要はないではありませんか。だったら、殺してしまえばいいのです。

 

美代:いやあね。一緒に死ぬってのは、昂るための、ほんの彩(いろど)りみたいなもので

 

桃子:本当に、それだけですか?

 

美代:……何が言いたいの?

 

桃子:貴女ほどの情熱的な女(ひと)が、愛人の――日陰者のまま終わることを良しとするとは思えなくて。

美代:そりゃあね、とって変わってやりたいと思いもするけれど。

桃子:けれど?

美代:私たちのこの昂りは、この関係性だから、っていうのも分かっているのよ。だから、そんなつまらないことはしないわ。

(少しの間)

 

桃子:……美代さん、私が未来を予見できると申し上げたら、どうします?

美代:なによ、急に。

桃子:私、未来を見てきたんです。先生と貴女が心中する、未来を。

美代:なんですって?

 

桃子:本当に、死ぬんです。先生と貴女は。そう遠くないうちに、川で。

 

美代:あっははははははははは!なあんだ、大層なことを言っていたけれど、あんた結局彼を助けたいだけじゃない。それならお綺麗ぶらずに、最初からそう言えばいいものを。

 

桃子:そうです。私は先生を助けたいだけです。必死なのです。だからお願いです。私に協力してください。貴女と私なら、利害が一致します。

美代:だからお断りよ。言ったでしょう?私たちの愛は、足元が覚束ないから燃え上がるの。小娘には分からないでしょうけれど。

桃子:そこに静江さんの死が挟まれることで、さらに昂るとはお考えにならないのですか?

 

美代:人を殺した罪悪感から生まれる昂りなんか、ろくなものじゃないわよ。

 

桃子:何を今さら。愛人関係が盛り上がるのも、罪悪感故でしょう?

 

美代:……

 

桃子:さらなる罪悪感から生まれるその刹那の輝きは、素晴らしいものだと思いますよ。先生の作品を、先生ご自身を愛してらっしゃる貴女なら、よくご存知なのでは?

(美代、生唾を飲む)

美代:……それでも、やらないわよ。

 

桃子:そうですか。野暮なことを申し上げたようですね。

 

美代:本当に、野暮でつまらない嘘だったわ。未来を見てきただなんて。

 

桃子:嘘とは私、一言も言っていませんよ。

 

美代:嘘に決まっているわ。

 

桃子:そう思うのならご自由にどうぞ。ほんの妄言(もうげん)と思って下さって結構です。

 

美代:さっさと帰って。

 

桃子:言われずとも帰ります。私の用はもう終わりましたから。

 

美代:見送りはしないわよ。

 

桃子:ええ、結構です。さようなら、もう二度と、お会いすることはないでしょうが。

 

美代:え?

 

桃子:そのままの意味です。それでは失礼致します。

 

美代:……

 

桃子:虚勢を張るばかりで、中身はぐらぐら。

 

(桃子、笑う)

 

桃子:……馬鹿な女。


【間】


―数日後/矢坂美代の家

 

美代:急にお呼びだてしてすみませんね。奥さま。

 

静江:……いいえ。ああ、こちらを。

 

美代:あら、羽二重団子。

 

静江:手ぶらで来るのも、気が引けましたので。

 

美代:ご丁寧にどうも。

 

静江:あの人が来たら、一緒に召し上がってくださいな。

 

美代:……皮肉ですか?

 

静江:いいえ、そんなつもりは。私はあの人と恋に落ちて結婚するまで、全くの箱入りで世間知らずでしたから。手土産といったら、あの人の好きなこれくらいしか知らないのです。

 

美代:お茶を入れますわ。一緒に食べましょう?同じ男を愛する者同士で、その男の好物を食べるというのも、乙なものでしょう。

 

静江:……今日は一体、何のご用事でしょうか?

 

美代:それは、お茶を飲んでからでいいじゃないですか。

 

静江:……

 

(美代、お茶を出す)

 

美代:さ、どうぞ。

 

静江:変わった香りのお茶ですね。巴旦杏(はたんきょう)のような、香ばしい香り……。

 

美代:お客さんからの頂き物でしてね。なんでも、海外で買われたものだとか。

 

静江:そう、ですか。

 

(静江、お茶を飲む)

 

静江:……なんだか、とても苦いお茶ですのね。

 

美代:奥さま、苦しくありませんか?

 

静江:え?

 

美代:私のところへ行く彼を見送るのは、さぞかし苦しかろうと思いまして。

静江:そりゃあ……そりゃあ決して心地の良いものではありませんけれど、でもあの人が決めたことです。それが作家である貴水(たかみ)の妻としての役目なのだと、思っております。

 

美代:それが、妻としての愛し方だと?

静江:ええ。

美代:それならば私は、愛人としての愛し方の話をしましょうか。

 

静江:え?

 

美代:奥さまを苦しみから解き放って差し上げようかと思いまして。

 

静江:それって……

 

美代:奥さま、苦しくありませんか?

 

静江:それはさっき……

 

(静江、苦しみだす)

 

静江:ぐっ……

美代:苦しく、ありませんか?

静江:一体なんの……ご、ふっ!

(静江、激しく苦しみながら吐く)

美代:青酸カリってどのくらいの量で死ぬのか、私ぜぇんぜん分からないから、結構沢山入れちゃったんです。お茶が苦いって言われた時、焦っちゃいましたよ。

 

(静江、喉をかきむしり、のたうち回って苦しむ)

静江:ぐ……あ、あ、あ……あぁぁぁぁぁ!

 

美代:奥さま、これで楽になれますよ。とうに自分を愛さなくなった男の背中を見つめ続けるほど、苦しいものはありません。

(静江、苦しみ続ける)

静江:あぁ……あ、あ……っ

美代:大丈夫、あの人のことは私に任せてください。身体も心も、その才も、しっかりと支えさせて頂きます。

 

静江:う、えぇぇぇぇっ……

 

美代:あら、なんですか、その鞄から見えているもの。

 

静江:げ、ほ……っ!

 

美代:……この縄。もしかして奥さまも、私を殺そうとしたのかしら?ああよかった。これであおいこですわね。

 

静江:う、あ……あ……

(静江、苦しみながら息を引き取る)

美代:奥さまはあてつけに私の家で、私の目の前で自殺をしたと、そう申しておきます。この縄も、私がしっかり処理しておきますね。そうでないと、あの人が苦しみます。あの人は繊細ですから。……もう、聞こえていませんかね。

 

(桃子が拍手をしながら入ってくる)

 

桃子:さすが美代さん。やっぱりやってくれると思っていました。

 

美代:あんたのためじゃないわよ。

 

桃子:それで構いません。あくまで自分の欲望に忠実な方が、私には好都合ですから。

 

桃子:逆に脆くて、扱いやすい。

 

美代:え?

 

桃子:ねえ美代さん。これで貴女が静江さんの後釜に座るのでしょう。

 

美代:そうね。

 

桃子:そこでひとつ質問です。

 

桃子:実は、先生は私のことも愛して下さっているんです。ねえ、この意味分かります?

 

美代:小娘が何を言って……

 

桃子:貴女のところにも静江さんのところにも行っていない日は、先生は私の家に来て下さっていたのです。

 

美代:ちょっと待って。

 

桃子:肉体の関係がないからこそ、純愛なのだと仰っていました。もっとも尊い、愛の形なのだと。

 

美代:やめて……

 

桃子:つまりは、そういうことです。

 

美代:やめて!

 

(桃子、くすくすと笑う)

 

桃子:「次」は、貴女の番ですね。

 

美代:あぁぁぁぁぁぁぁぁ!


【間】


―エピローグ

 

桃子:ある夜、二人の女が死んだ。

 

静江:恨みがましい目をするだけの、愚鈍な猫のような女は毒を飲んでのたうちまわり、

美代:全てを喰らい尽くす貪欲な鰐のような女は、その獰猛さが己に返ることに怯え、首を括(くく)った。

 

桃子:どちらも弱い、ただの女だった。

(少しの間)

桃子:……先生、以前から私を眩しそうに見つめて下さっていましたね。その手が何度も私を抱きしめようとしていたこと、私気付いていました。鵞鳥は、貞節や創造の象徴なんでしたっけね。先生に教えて頂いたから、よぉく覚えています。鵞鳥のような女、我ながら上手い事を言ったと思います。そうは思いません?

 

(少しの間)

 

桃子:……ねえ先生?私なら先生を死なせはしない。もう大丈夫ですよ……先生。

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【幕】

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